逆突事故におけるむちうち
1 逆突事故でむちうちになった場合
逆突事故とは、追突事故の逆、つまり前方の車がバックをしてきて被害者の車両に衝突したような事故のことを言います。
逆突事故であっても、加害者車両が勢いよくバックをしてきたような場合には、被害者は車内で首や身体を大きく揺さぶられ、いわゆるむちうち症状が出てしまうということがあります。
逆突事故によってむちうちになってしまった場合には、基本的には加害者側の任意保険が治療費や慰謝料等の補償をしてくれることになります。
2 逆突事故のむちうちで気を付けるべきこと
もっとも、逆突事故と通常事故の扱いで気をつけなければならない点があります。
それが、一般的には逆突事故は軽い事故の一形態と考えられており、そもそも賠償の対象にならない主張をされたり、治療費を対応してもらえたとしてもその治療期間については短い期間しか認められなかったりするということです。
なぜ軽い事故として考えられているかというと、①加害車両において直進よりもバックの方が、基本的に速度が出づらいため、その分被害車両の衝撃が小さいと考えらえること、および、②前方からの衝突であれば、被害者の方としても加害車両を目視でき、衝撃に対して構えることができるからであるとされています。
そのため、加害者側の任意保険会社から治療について否定的な主張がなされた場合には、当該事故が上記の理由に当たらず、衝撃が大きくかつ予測が不能であったことなどを主張する必要があります。
また、残念ながら自賠責保険においては逆突事故については、事故と怪我との因果関係が否定されることが多いため、任意保険が十分な治療期間の対応してくれないからと言って安易に被害者請求を行うのは危険です。
自賠責保険において因果関係が否定されてしまった場合には、保険会社が治療費を対応してくれていた期間の治療費ですら否認されてしまう可能性があり、こうなると任意保険からの慰謝料等も一切でなくなってしまう可能性があるからです。
むち打ちの慰謝料における後遺障害異議申し立てのポイント 交通事故について弁護士に依頼するメリット