介護の寄与分を主張したい場合の証拠について
1 介護の実態を証拠として残しておく
介護の期間、介護の内容、介護者にかかっていた負担などを具体的に示す証拠を残しておくべきです。
親族としての扶養の範囲内の行為であると判断された場合は、寄与分が認められないことになりますので、介護の負担が非常に重かったという証拠を残しておく必要があります。
亡くなった方の要介護度、病気の内容や介助の必要性、介護者が介助せざるを得なかった状況や介助の内容などです。
要介護度や介護の手帳、病気の内容は診断書などで残すことができますが、介助の内容などは例えば日記を日々つけるなどすることで証拠化することもできます。
2 要介護者の財産の維持・増加へ貢献していたこと
介護者が介護費用や介助に必要な費用を負担してあげていた場合、それによって財産の維持・増加へ貢献していたといえますので、このような証拠も残しておくべきといえます。
例えば、おむつ代や病院費用、送迎費用、老人ホームの費用などです。
要介護者の預貯金や要介護者の社会保険等から支出している場合は、介護者が負担していたわけではないため、寄与分とはなりませんが、介護者が自らのお財布から支出していた場合は、領収書や振込の履歴等を残しておくべきといえます。
なお、この支出も、親族としての扶養の範囲内と認められる程度の額であれば、寄与分とはなりませんので、注意が必要です。
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