不倫慰謝料
不倫慰謝料請求で後悔しないための基礎知識
1 慰謝料を請求したい方

⑴ 不倫の慰謝料には期限がある
不倫の慰謝料は、相手に請求できる期限があります。
例えば、あなたが夫の不倫の証拠を手に入れ、その証拠では不倫相手との肉体関係が明らかになっており、不倫相手の名前や住所も分かっている場合、あなたはこれら事実を知ったときから3年間の間に慰謝料を請求しないと、3年経過後は慰謝料を請求できない可能性が高くなります。
民法という法律が不倫の慰謝料の「時効」を定めており、そこでは「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき」に時効になるとしています(民法724条1号)。
したがって、不倫の慰謝料請求は決められた期間内でしかできないことは覚えておいてください。
なお、この3年経過しているかどうかの判断は、複雑なところがありますので、まずは弁護士にご相談ください。
⑵ 既婚者が、同じく既婚者の異性と不倫をした場合に慰謝料が取れないことがある
これはいわゆるダブル不倫と言われるものです。
なぜ慰謝料が取れないことがあるかと言いますと、相手も既婚者であれば、相手の夫又は妻がこちらに対して慰謝料請求ができ、相手が請求できる金額がこちらの請求できる金額と同じであると考えられる場合があるからです(もっとも、例外はあります)。
つまり不倫された側の各配偶者はそれぞれ精神的苦痛が発生しており、その金額は同じと考えられます。
この慰謝料を100万円と考えた場合、相手もこちらに対して100万円請求できるため、100万円支払って100万円受け取るのは面倒です。
そこでそれぞれの支払いを0円として解決したりします。
結局、こちらも既婚で、あちらも既婚であれば、あちらからも慰謝料請求が来るということを念頭に置かなければなりません。
2 慰謝料を請求された方
慰謝料を請求された方が求償権を放棄する合意書に署名をした場合、その後、不倫相手に負担を求めることができなくなります。
不倫は二人で行うものですので、原則として二人が同時に賠償の責任を負います。
もっとも、例えば支払う慰謝料を200万円と定め、一人が200万円全額を支払ったとします。
自分は全額払ったが、もう一方の不倫をした人に半額を負担してもらおうとします。
しかし、合意書のなかで、求償権の放棄を定めますと、全額支払った人は、不倫をしたもう一人に対して、賠償を負担しなさいと言えなくなります。
不倫の慰謝料は本来不倫をした二人が負担するものですので、不倫をした人間の片方だけの負担になっている合意書には注意が必要です。
























